住宅購入ノウハウ

見積書の見方と工事費

 住宅を建てる場合、知合いの施工業者か、または、2〜3の施工業者からラフ設計、工事費の見積書を出してもらい、方向が固まれば正式な図面を作成し見積もりをとったあとで請負契約を結んで工事にかかるのが普通です。
 見積書は、内訳の明細まで出してもらい内容のチェックをしましょう。おおざっぱな坪当たり単価で、しかも口約束だけで工事をまかせるのは、大変危険なことです。というのは、建主と工務店の双方で、お互いに都合のよい解釈や誤解からくるトラブルが後日もちあがることがよくあるからです。こうしたトラブルを防ぐためにも見積書を出してもらい請負契約を結ぶことが大切です。なお、見積書作成にあたっては、建主の意図を正確に工務店に伝えるため、自分たちの希望・予算・取り入れたい仕様などを事前に作成してこれに基づき見積りを依頼するとよいでしょう。

見積書とは

 工事見積書は設計図及び仕様書をもとにして、各工事の区分ごとに、材料、規格、寸法、単位、数量、単価、金額が明示されたもので、この総合計金頼が見積金額となります。見積書の様式は、必ずしも一定でなく、施工業者によって多少の違いがありますので、設計図及び仕様書に示されている工事がすべて含まれているかどうかなど内容を十分検討してください。

工事費の区分と内容

(1)仮設工事費

 工事のための足場、工事用の電気料、水道料などの費用、水盛、遣り方など建物の位置と高さを決める準備のための工事費用などです。

(2)土工事・基礎工事費

 建物の土台に関する工事で、根切(基礎設置のための地盤の掘り下げ)、割栗石の突き固めなどの土工事や、仮枠を組み、コンクリートを打ち込む基礎工事などの費用です。

(3)木工事費

  木材を使用する工事の費用がすべて含まれます。木造住宅の場合、ものにより多少の差はありますが、総工事費の約40%〜50%程度が木工事費で占められますので、工事費の高低はこの部分の費用で相当左右されることになります。

(4)屋根、金属工事費

 屋根ふき、軒、雨樋、水切り(窓枠から雨水の浸透を防ぐ工事等)、外壁下地のラス張りなどの工事費が含まれます。

(5)左官工事費

 内壁の漆喰塗り、繊維壁など、外壁のモルタル塗り、モルタル吹き付けなどの工事費が含まれます。

(6)建具・ガラス工事費

 出入口(窓)の戸、障子、ふすま、サッシなどの工事費が含まれます。

(7)塗装工事費

 ペンキ、ニス、ラッカーなどの塗装に関する工事費が含まれます。

(8)タイル・石工事費

 便所、浴室、流し台まわりなどのタイル工事、玄関などの石張工事の費用が含まれます。

(9)内装工事費

 壁面、床面、天井面など内部仕上げのための工事費で、壁紙、クロス張り、畳、フローリングボード(床材)張りなどの工事費が含まれます。

(10)雑工事費

 造りつけの家具、戸棚、流し台やその他こまごました工事費が含まれます。

(11)設備工事費

 電気(照明器具を除く)、給水、排水、ガス、衛生器具の設置などの工事費が含まれます。

(12)諸経費

 運搬費、現場の諸経費などが含まれます。
 そのほか、インテリアや門、塀、物置、車庫などの外構工事費もあります。

 以上が見積書に記載されている主な内容です。なお、これ以外に設計監理費、建築確認申請手数料、建物保存登記手数料、上棟式の費用等の諸経費があります。

各工事費割合の目安

 住宅の構造、平面計画、敷地の状態、設備、内装等によって多少の違いはありますが、木造住宅の場合の各工事費の割合の参考例を次にあげますので、見積書チェックの目安として役立てて下さい。(設定:木造2階建て 床面積約90u 屋根カラーベスト葺 外壁リシン吹付仕上げ、セントラルヒーティングなどの特殊な設備なし)

(参考例)木造住宅の各工事費割合
仮設工事費 約 2.0%
土工事・基礎工事費 4.00%
木工事 45.00%
屋根・金属工事費 4.00%
左官工事費 4.00%
建具・ガラス工事費 9.00%
塗装工事費 約 2.0%
タイル・石工事費 2.00%
内装工事費 5.00%
雑工事費 4.00%
設備工事費 12.00%
諸経費 7.00%

請負契約を結ぶ際のポイント

 建築工事にまつわるトラブルは、主として書面により請負契約を結ばなかったり、また、結んでも仕様を特定していなかったために起きるものです。たとえ、信頼できる間柄であっても、万一のトラブルに備えてしっかりした内容により書面で請負契約を結ぶことが大切です。

(1)契約書の内容をよく理解する

 契約書の内容は難しくてよくわからない、とあきらめずに、理解できるまで施工業者に尋ねることです。トラブル防止につながります。

(2)契約書の内容

 工事内容、発注者(建主)、注文者、請負者、着工及び完成年月日、引渡し時期、請負代金の額、請負代金の支払方法、かし担保、天災による危険負担、損害保険の付保方法、紛争の解決方法などが記載されているか確認することが大切です。
 なお、建設業法では、建設工事の請負契約の当事者は契約書にこれらの事項を記載し、署名または、記名押印をして相互に交付しなければならないとされています。
 また、請負契約書は、契約書及び添付の設計図、仕様書、契約約款、請負代金内訳書(見積書をそのまま使用することが多い)から成り立っております。これらの書類は大事なものですから、重要書類として保管しましょう。